雨音が聞こえる。

日記と雑記。

【雑記】自分の人生に集中すること。

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 今、自分の人生に集中する人が増えている気がする。そんな話。

 

伝えたいってこと

 宮下奈都先生の文庫「つぼみ」を読んでる。あまり、頭の中で映像を浮かべるのが得意じゃないけど、宮下先生の文章は情景が浮かぶ。

 読みながら、「伝えたい」ってことについて、改めて考える。「伝えたい」って、大層なメッセージとかじゃないなって。例えば、外を歩いてて見た花が見事に赤かったとか、シャボン玉が流れて飛んで行った公園の風景とか。見て、聴いて、触って、感じた色んなことは、きっと心の一番奥そこでは全部誰かに伝えたいって思ってるんじゃないか、とか。

 森博嗣さんの小説の中で、「人の考えていることは、全て誰かに伝えたいと思っていることだ」みたいな台詞があって。確かにそうだなって。

 青の数学2の中でも、「今みたいに、伝わって当たり前の世界だと分からないんだよな。確かに伝えなければならない、って言うのがどれほどの望みなのか」って台詞もあった。 あとは、この前みたシンガーソングライターの、藤井風さんの話してる中で、「何なんw」って曲を弾き語りで演奏する時に、「ちゃんと伝わるか不安だった」って言葉があって、その後、バンド形態でやれる時に、「やっと自分のイメージした形で届けられると思った」みたいなことを言っていた。

 

確かさ

 「確かに伝えたい」

 この、確かにって欲求はどこから来るんだろう。青の数学2では、「確かなこと」を探して旅をしていた。自分も最近思った。「この言葉は、思った通りに伝わってない気がする」って。

 それで、問題が起こるのが嫌とかよりも、きっと、「確かに伝えたい」って望みが先にある。もっと言うと、自分のことを、確かに理解してほしい、ってことかもしれない。

 漫画「ブルーピリオド」の中で、主人公が初めて真剣に絵を描いて、友達に「この感じ分かるわー」って言われた時に、「初めて話せた気がした」って感じるシーンがあって。それも、伝わったってことで。

 

 そういえば、昔から「文章が上手」って言われることが多かった。自分では「そうか?」って思ってたけど、中学でも、高校でも、大学でも、社会人になっても、誰かしらに言われてるから、ある程度そうなのかも。

 きっと、人よりも「確かに伝えたい」って望みが大きいんだろうと思う。だから、文章は長くなるし、メールとかラインの文面考えるのも時間かかるし、話すのは下手だ。

 音楽にしても。

 バンドの曲を1曲作った後、「この曲だけじゃ伝わらない」って思って、アルバムの構想を考え始めた。何をそんなに伝えたかったのかって、今思うとちょっと分からないけど、でも、アルバムの曲順を考え終わった時に、「これなら伝わるぞ」って思った。誰に?何を?

 

 歌うのが楽しい。それもきっと、伝えたいってことなんだろうな。それで、今まで生きてきて思ったけど、「あ、伝わった」って思った瞬間が、一番幸せだ。きっと。

 それは例えば、うちのバンドのギタリストに、ピアノ弾き語りのデモを聴いてもらって、「良い曲だなー」ってしみじみ言われた時とか。

 自分の頭の中にあった風景とか感情を、形にして、自分の手と声で演奏して、それが「良いな」って思ってもらえる位には伝わったって、結構凄いことだ。

 ツイッターとかで感想もらえるのも嬉しい。体温のある文章なら、なおのこと。だけど、やっぱり対面で呟いた一言って大きいなって思う。

 

 

自分の人生 

 ここ最近は、人間関係に少し変化があった。新型コロナウィルスの影響もある。バンドが今休止してるのも、一応はそのせい。だけど、何とかその中でも続ける方法は幾つかあった。それをしなかったのは、バンドにとって、それは正しい道じゃないと思ったから。

 あとはバンド以外でも。結構、よく話してた人と少し距離を置いたり。人じゃないけど、家の中の物を整理したり。

 なんとなく、「自分の人生に集中しろ」って言われている気がする。誰かに。人の気持ちを考えたり、誰かの役に立ったり、それは悪いことじゃない、むしろ良いことだけど、一番大切なのは、自分の人生だ。自分の人生を大切にしたうえで、他人を尊重する。それは、決して逆じゃない。

  

 自分の人生を生きている人を見ると、良いなあと思う。うらやましいってのもあるけど、好きになれる。

 この時代、皆一人の時間が増えて、自分の人生に集中する人が増えていってるんじゃないかって気がする。

 

 思うように、思う存分やろう。

 

 それでは!